メールマガジン「フィンランド」第7号 2007年10月

 

切手の写真: フィスカルズの秋

 By Maya and Kari Gröhn

上の写真はコリの秋

フィンランドの秋

 今年の9月の平均気温は例年より7-8度は高いという暖かい秋になっています。とはいえ、紅葉はご覧のとおり、鮮やかな色合いを見せてくれています。

 初秋は緑と赤、黄の見事なコントラストを楽しめる季節です。シダの葉の上に積もった落ち葉はそのまま絵になりそうです。

 

 スズランの花も実をつけました。スズランの実を食べるという話はあまり聞きませんが、あまりつややかに生っているのでつい口に含んでしまいました。苦いのかと思いきやほのかな甘みが口の中に漂います。これなら食べられないこともありません。とはいいながら、スズランんの実は毒だという先入観もどこかにあって、さらに手を伸ばす気にもなりませんでした。たしか宮沢賢治の童話の中でスズランの実を食べるウサギの話があったような気がするのですが。

 こちらは湖畔に係留されたボートのまわりを飛び交う赤とんぼ。日本の赤とんぼと変わりはないようです。

 

 オラワ(シマリス)です。フィンランドではありふれた動物ですが、それでも出会えばちょっと得をした気分。ただ、車の往来があるところで出会ったときは心をなごませている余裕はありません。オラワが道路を横切るときはいちおう、ちょろちょろっと、
「右よし!左よし!」
それっ、てんで駆け出すのですが、視界があまり広くないのか、その確認がいまいちいいかげんなのです。人家の近くでは車もそうスピードを出していないからいいのですが、先日車がびゅんびゅん走っているエスポーのバス停の側で見たオラワには本当にひやりとさせられました。こちらに来て以来ペッチャンコになってしまった不幸なオラワの事故死をすでに二件も目撃しています。
 もっとも、相手がオラワだからそうなりますが、エルクなんぞにぶつかった日にはペッチャンコになるのは人間のほうです。郊外に行くと「エルクに注意」の標識をあちこちで見かけます。

 

 これはティルヒ(レンジャク)です。北カレリアを訪れたとき、木にびっしりと鈴なりになっていた一群に遭遇しました。旅に供えて最後の食事をしていたようです。

 

 

お墓の話

「死んだら焼いてね」と言うと、
「フィンランドでは火葬は高くつくぞう」と、にやり。
 以前、友人宅の京都の田舎では今も土葬だという話を聞いてのけぞるほど驚いたことがありますが、フィンランドでは土葬がまだ大半を占めています。ただ、フィンランドでも火葬が徐々に増えつつあるのは確かなようで、現在では3割から4割の人が火葬を希望しているそうです。

 こんな話になったのはちょうどカリが読んでいた地元の新聞に、お墓の世話をするスタッフを増員したという記事が載っていたからです。いずこも同じですが、墓守をする習慣は年々すたれつつあり、どの家族も人を雇ってお墓の世話を頼むようになっています。5年契約、10年契約、25年契約と、需要に応じてコースも取り揃っております。冠婚葬祭に費用がかかるのは洋の東西を問いません。
 ま、でも、死んでしまえばあとはどうなときゃーなろたい。
 そういうことなら、「では、どちらでもお安いほうに」しておいてもらいましょう。

 ここで、興味深いのは、死者のケアをする担当者といいますか、責任者となるのが教会だということです。これは一見当たり前のように聞こえますが、教会が行政の枠組みの中で墓地の管理を行うというのは日本では考えられないでしょう。江戸時代ならともかく少なくとも現代においては。
 フィンランドの教会は大別してルーテルとオーソドックスに分かれますが、墓地では死者の宗派は問われません。教会に属していない人でも、またイスラム、仏教、神道を問わず、教会はすべての死者を引き受けるということです。むろん現実には遺言などで遺族が教会や墓地を指定するのが大半でしょうが。

 面白いのは、このためかどうかはわかりませんが、フィンランドには教会税というのがあって、企業は教会に対し税金を払っているということです。率は大したことはないようですが、これについては時たま論議が持ち上がっているようです。是非はともあれ、こういった形の課税法というのはなにか北欧の歴史に深く結びついているような気がしますね。

 一般に墓地を訪れるのはクリスマスシーズンです。私もカリの親族が眠っている墓地を訪れたことがありますが、この時期はお墓の前には一面にローソクが灯され、その柔らかい光が雪に映えてとても美しい光景です。

 

 

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次回の特集は「     フィンランドの秋 その2    」です。

 

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