メールマガジン「フィンランド」第9号 2007年11月

 By Maya and Kari Gröhn

 

 昨年のこと。しばらく雨がなく、湖が何年ぶりかで干上がってしまいました。
 ここまで水のひいた湖というのはふだんあまり見られない風景です。
  どんどん歩いていくと、おや、馬の蹄鉄が見つかりました。
 馬の蹄鉄を見つけると縁起がよいといわれます。
 いいことがありますように。

 

 11月のはじめから十日あまり日本に帰国しておりました。
 久しぶりの日本で羽をのばしているとき、フィンランドの学校で起こったあのショッキングな事件を知りました。
 まさかフィンランドであのような事件が起こるとは。
 しかし、良くも悪くも世界は連動しています。
 無邪気でいることが本当に難しい世の中になってきました。

 それにしてもフィンランドは世界的にみても銃の所有率が最も高い国のひとつだと聞いてあらためて「へえ」と思ってしまいました。
 フィンランドに住んでいなければおそらくそういう話も「ああ、そうか」と単純に思ってしまうでしょう。たしかに狩猟人口が多いというのは事実です。とはいえ自分のまわりで誰かが銃をもっているという話など見たことも聞いたこともないので、そんなことを言われてもなかなかぴんときません。
 かなり昔のことですが、日本のある暴力団の闘争のことがニュースで大きくとりあげられたことがありました。海外に住んでいた知り合いの日本人はそのとき親しくなった現地の友人から
「あなた、絶対こんな恐ろしい国に帰っちゃだめよ」、と、真顔で忠告されたと笑いながら話してくれたことがあります。何事も距離感が違うと受け止め方はまったく異なるということでしょう。

 不条理。といった心境のときにふと思い出しました。数年前ヘルシンキにあるシネブリュコッフ美術館を訪れたときのこと。演劇学校の生徒たちがその美術館を舞台にして寸劇を演じているところに出会いました。なにやらギリシャ劇のようなので不条理劇であろうと勝手に私が想像しただけで、本当のところなんであったかよくわかりません。劇は美術館の部屋を移動しながら続けられ、観客も俳優たちを追ってぞろぞろと移動していきます。俳優のいるところがすなわち舞台だというわけです。シネブリュコッフのホームページには部屋の間取りなども詳しく記されていますので、興味のある方はご参照ください。美術館自体も大変趣のある素敵な建物です。

劇の雰囲気が美術館とマッチしてなかなか興味深い劇になっていました。フィンランドにはこのような粋な美術館があちこちにあります。機会があればまたご紹介していきたいと思います。

 

悲しい事件が起きてしまいましたが、街は例年のクリスマスの賑わいを取り戻しつつあります。
次回はフィンランドのクリスマス風景をお見せしようと思っていますが、その前に2007年度のクリスマスカレンダーをひとつご紹介しておきましょう。
「もういくつねるとクリスマス」
紙のクリスマスカレンダーはひとつめくるとチョコレートが入っていますが、このカレンダーにはチョコレートの代わりに音楽が入っています。どのページも12月にならないと開きません。また毎日一枚しか開けることができません。ゆるゆるとお楽しみください。

 http://www.positiivarit.fi/joulu/english/index.html

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